見守り契約ってなに?
「見守り契約」とは、本人と支援してくれる人との間で自由に結ぶ契約で、本人の判断能力が既に
衰えて身上監護や財産管理の面で不便や不利益を被っているのに、周囲が気づかずに本人が置
きざりにされてしまうといった事態を避けるためのものです。
本人がまだ元気か、徐々に判断能力が失われつつあるような状況で契約を結び、定期的な見守
りをしながら両者の信頼関係を深め、本人の生活や健康状態を見守ります。
見守りを続けながら介護サービスの利用を検討したり、判断能力が著しく低下してきたような場合
には任意後見開始のタイミンングを見計らったりします。
『見守り契約+任意後見契約』のパターンで作成される例が多いですが、『見守り契約+任意後
見契約+死後事務委任契約』のパターン、あるいは、『見守り契約+死後事務委任契約』のパタ
ーンで作成されることもあります。
契約書には、基本的には「目的、連絡・面談の頻度や手法、見守り義務、報酬、終了の
条件」等を記載します。連絡や訪問については、「2〜3か月に1度の電話、半年に1
回の訪問」といったものから、「2週間に1度の電話、毎月1回の訪問」といったもの
まで、本人の状況に応じて様々です。
連絡はどちらから入れるのか、面談場所はどうするのかなどについても具体的に決め、
本人やその家族、支援する側の負担にならない方法を検討します。
任意後見と併せて財産管理委任契約が結ばれている場合、本人の判断能力が衰えたとし
ても、家庭裁判所に任意後見監督人の選任を求め、選任がされない限りいつまでたって
も財産管理委任契約の効力は失われません。
つまり、任意後見がいつまでも開始せず本人が亡くなるまで受任者の思いどおりにさ
れてしまうといった不利益を被る可能性もあります。
財産管理委任契約結んでいる場合には、見守りをする人は任意財産管理人の仕事を終了
させる役目を担います。そのため、財産管理委任契約を結び、なおかつ見守り契約も結
ぶ場合には、見守り人は財産管理委任契約および任意後見契約から独立した第三者に依
頼することも一つの方法です。
上記記載のとおり、『見守り契約』は『任意後見契約』や『死後事務委任契約』などと
のセットで契約を結ぶことにより、身体能力や判断能力が衰えた後の安心を確保する有
効な手段のひとつですが、当事務所では、以下のような目的のために『見守り契約』お
よび『見守り引受け』サービスをご利用いただくことも可能です。
<<見守り引受けをご利用いただく例>>
● 離れて住む年老いたお父さま・お母さまの生活状況を把握したい・・・
● 頻繁に実家に帰省することができない・・・
● お一人で住むお父さま・お母さまの話相手になってほしい・・・
など
訪問の頻度や契約の内容は、お父さま・お母さまの状況に応じて自由に決めることがで
きますので、ご相談ください。